|
「いんげん豆」には、饅頭・上生菓子などの製餡の原料に使用される手亡が在ります。
また、甘納豆・鹿の子・煮豆などの原料として金時豆・福白・うずら豆・虎豆・大福豆
白花豆・紫花豆などが使われてます。
原産地は中南米で、メキシコでは7,000年前・ペルーでは8,000年前にいんげん豆を利用していた形跡があるそうです。
16世紀初頭、コロンブスの新大陸発見によってヨーロッパに伝わり、豆を乾燥させて料理として煮豆に使われていました。
昔の西部劇映画で、カウボーイ達が荒野でパンとコーヒーそして煮た豆を食べた映像を
ご存知の方も多いと思います。 この豆が「いんげん豆」なのです。
我が国への伝来は17世紀の中頃、中国から隠元禅師によってもたらされ、禅師の名に因んで「隠元豆」と呼ばれる様になったと伝えられています。
【手 亡】 手亡は白色の美しい豆で、大福豆などと共に白いんげんとも呼ばれます。 開拓が始まった明治時代にアメリカ産の種子が輸入され、 北海道十勝地方で栽培され、大正時代には各地で栽培され、かつては輸出作物として急速に生産量を伸ばしました。 - 写真左: 北海道産手亡 - |
白色系のいんげん豆として輸入されています。
主に、バタービーン・ベビーライマー・グレートノーザンなどです。
「
【金時豆】
いんげん豆の代表的な種類です。
金時豆は北海道で栽培されている豆のうち約6割を占めています。
圧倒的な生産量を誇る「大正金時」という品種は、昭和初期に北海道十勝地方の幕別村で見つけられ、大正村(現在は帯広市内)で量産されたことからその名が付きました。
【虎 豆】 大福豆・紅花いげん豆と共に高級菜豆と呼ばれて います。 (虎豆の画像:下段右側) 白地を基本としながら、へその周囲に濃黄褐色と 淡黄褐色の斑紋(柄)が入っているのが特徴で、 模様の入り具合が虎に似ていることから虎豆と 称されます。 明治時代にアメリカのマサチューセッツ州から 導入されて栽培が始まりました。 - 写真右: 各種いんげん豆 - |
【大福豆】
種皮だけでなく、へその部分までが真っ白な腎臓形の美しい豆です。
食味が良く、白色という特徴を活かして甘納豆・煮豆・和菓子などの原料及び家庭用として使われます。 とりわけ甘納豆の需要が多く、全体の4割位を占めます。
わが国では北海道胆振地方・北見地方を中心に生産されています。
【うずらまめ】
「うずらまめ」の名は種皮の模様が
褐色の地に赤紫色の斑紋を持ち、円筒形をしています。
我が国での本格的な栽培は、北海道の開拓が始まった明治時代からです。
アメリカ産の種子が輸入され、北海道大学の全身・札幌農学校で栽培が始まりました。
「うずらまめ」は煮豆や甘納豆の原料として用いられています。
【関連項目】
’06年02月01日 「小豆」と「ささげ」 ’06年03月16日 「つぶ餡」と「こし餡」
’06年09月16日 「小豆の歴史」 ’06年10月01日 小豆の「こし餡と小倉餡」
’06年10月16日 「白小豆」の白餡 ’06年11月01日 「白餡と黄味餡」
’07年03月16日 お彼岸と「おはぎ」 ’10年10月10日 「小豆の地名」
’11年05月11日 穀物:「小豆編」 ’12年04月01日 「羊かんの歴史」
※次回も「穀物について」パートⅢをお送りします。
資料:全国和菓子協会・ (財)日本豆類基金協会・ 東海農政局(農林水産省)
<調 査:本社 営業部門 >