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2015年10月01日:『さつま芋の歴史・他』

「暑さ寒さも彼岸まで」、今年は涼しい9月でした。

秋の味覚「さつま芋」の収穫時期となりました。
女子にとって大好きな食材で、芋の菓子も沢山あります。
焼き芋・スイートポテト・いも羊羹・大学芋・芋タルト・・・

今回は、さつま芋の歴史等を調査してみました。

  *** 写真:焼き芋(安納芋) ***
(焼き芋)
さつま芋
さつまいも(薩摩芋)はヒルガオ科の植物の肥大した根の部分で、甘藷(かんしょ)とも呼ばれ、原産地は中米ですが、今では世界中の生産の約9割がアジアで作られています。
京都大学名誉教授で植物細胞遺伝工学等の権威である西山市三教授が、1955年(昭和30年)にメキシコにおいてさつま芋の祖先にあたる野生種を発見、 「イポメア・トリフィーダ」と名付け、後にほかの学者達によって中南米が原産地とされた。
(さつま芋畑) さつま芋は種を蒔くのではなく、苗を畑に植付けます。
西日本は4月下旬、東日本は5月下旬に植付けます。
収穫は、植付けから100~120日頃の8月下旬より11月くらいで、地域・植付け時期・気候などに大きく作用される様です。
  - 写真:さつま芋畑 -
農家では前年に収穫した種芋を加温と適度な湿度をあたえて、種芋から伸びたツルを切取って「苗」とし植付けます。
稲の収穫時期と重ならない様に芋の植付け時期を考慮しているそうです。
また、さつま芋は痩せた荒れ地でも育つので、前作で野菜などが良く収穫出来た際は肥料を 与えない方が良いようで、肥料が多いとツルが長く伸びて芋の成長が悪くなります。

さつま芋の収穫は地域差がありますが、8月頃から始まり11月頃です。
収穫後2~3ヶ月程貯蔵し、余分な水分を逃がすことで「甘みが増し」10月~1月頃が食べごろ(旬)となります。
晩秋から冬の期間は、「♪い~しや~きいも、焼・き・い・も♪」が懐かしく、ホクホクしたお芋が美味しい季節です。

芋の伝来
原産地は中米大陸とされ、スペイン人或いはポルトガル人により東南アジアに持込まれ、 フィリピンから中国を経て1597年に宮古島へ伝わり、17世紀初頭に琉球より九州へと伝来されました。
日本には原産地の中米からではなく、中国を経由して伝わってきました。
1700年代初めに薩摩藩が栽培を始めるようになり、九州各地では中国から伝わってきた芋と言う事で「唐芋(カライモ)」と呼ばれるようになりました。
1732年の「享保の大飢饉」が西日本を襲います。
そんな中、サツマイモが一気に注目を集める事となり江戸幕府の目にとまり、八代将軍徳川吉宗(1684~1751)は青木昆陽(儒学者・蘭学者)らに栽培を命じ江戸にも広まったとされています。
関東では薩摩藩から伝わった芋なので「薩摩芋(さつまいも)」と呼ばれるようになりました。

日本の生産地】 農林省統計データ
鹿児島 400,400㌧(39.6%) : 茨城 168,100㌧(16.6%)
千葉 125,500㌧(12.4%) : 宮崎 90,500㌧ (9%)
徳島 34,200㌧ (3.4%) : 熊本 29,500㌧ (2.9%)
その他、静岡・高知・神奈川・愛媛・埼玉・群馬県等で
全国:1,011,000㌧(平成20年)となっております。
平成23年:885,800㌧ 25年:942,300と減少してます。
明治初頭:100万トン前後・大正時代:360万トン
昭和初期~20年頃:330万~400万トン
昭和21年~30年頃:500万~700万トン(30年718万トン最高)
昭和46年を境に200万トンから150万トンに減少
平成5年以降は100万トン前後です。 -写真:芋の花-
(芋の花)

世界の主な生産地
主な芋類の全世界における生産量が、ジャガ芋:3億2,556万㌧・キャッサバ:2億3,246万トン・さつま芋:1億314万トンです。 出典:FAOSTAT(2012年)
さつま芋は中国の生産量がダントツで世界の総生産量の70.9%の割合です。
中 国 7,314万㌧(70.9%) : ナイジェリア 340万㌧(3.3%)
タンザニア 302万㌧(2.9%) : ウガンダ 265万㌧(2.6%)
インドネシア 248万㌧(2.4%) : ベトナム 142万㌧(1.4%)
アメリカ 120万㌧(1.16%) : エチオピア 118万㌧(1.15%)
インド 110万㌧(1.07%) : ウガンダ 100万㌧(0.97%)
平成24年度(2012)日本は13位:875,900㌧(0.85%)ですが、上記平成20年度実績では世界7位:1,011,000㌧でした。
(さつま芋) 主な芋の種類
紅あずま東日本で多く流通している品種、甘味が強いのが特徴、皮は濃い赤紫色で中は淡黄色
鳴門金時西日本で多く流通、皮は赤紫色で中は薄い黄色、甘味が強く粉質ですがややねっとり感あり
  - 写真:さつま芋 -
安納いも鹿児島県種子島の在来種で、「安納こがね・安納紅」が多く流通している。 肉色はどちらもカロテンを含んだオレンジ色で甘味が強く、加熱するとねっとりとした食感になります。
種子島紫種子島の在来種、皮は白っぽい黄色で肉色はきれいな紫色。  焼き芋や蒸し芋・菓子の材料・芋焼酎の原料としても使用される。  紫色の色素は健康によいとされるアントシアニンによるものです。
黄金千貫皮も中身も白っぽい黄色をしたさつまいも。 主に芋焼酎の材料として使用されています

さつま芋・栄養価と効能
①加熱しても残る(90%)ビタミンCですから、冬のC補給には最適で風の予防にも効き目があります。
②サツマイモに含まれる食物繊維は、100gに対する比率はそれほど多くは無いのですが、 他の野菜に比べ食べる重量が多くなる場合が多いので、結果的に効率よく沢山の食物繊維を摂る事が出来る為、 腸を刺激し働きを活発するので皆さんご存知の便秘に効果的と言われます。
カリウムを豊富に含みナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、ビタミンEも含んで、抗酸化作用があり、体内の活性酸素を減らします。
④紫芋種は、アントシアニンが含まれ、ポリフェノールの一種でもあり生活習慣病の原因にもなっている 活性酸素を抑制する効果があります。
⑤エネルギーは低い(下記参照)ですが、主成分である炭水化物・ショ糖・果糖等の糖分が含まれていますので、食べ過ぎにはご注意ください。

【さつま芋(生芋)の栄養成分】 (100g/五訂)
エネルギー:132㌍   糖 質:31.5g   食物繊維:2.3g
脂 肪:2.3g   たんぱく質:1.2g   ナトリウム:18㎎
カリウム:470㎎   水 分:66.1g

【関連項目】                
’08年05月01日 「みかん」の歴史 ’08年10月01日 「栗」について
’15年05月01日 「いちご」の歴史 ’15年06月01日 「みかん」の歴史Ⅱ
’15年07月01日 「さくらんぼ」の歴史 ’15年08月01日 「パイナップル」の歴史
’15年12月01日 「りんご」の歴史 ’16年04月01日 「桃」の歴史
’16年05月01日 「枇杷」の歴史 ’16年06月01日 「メロン」の歴史
’16年11月01日 「柿の歴史・その他」 ’17年06月01日 「レモン」の歴史
’17年08月01日 「すいか」の歴史 ’17年09月01日 「梨」の歴史

資料 : ウッキペディア(さつま芋) ・ 野菜ナビ
     旬の食材百科 ・ 農林水産省

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