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木を桜桃(オウトウ)、果実をサクランボと呼び分ける場合もある様です。
サクランボ(バラ科サクラ属)の品種は、全世界で1,000種類以上と言われており、 日本で栽培されているのは約30種前後で、そのほとんどが甘果桜桃類です。
サクランボの品種は、大きく3系統に分けられます。
1.甘果桜桃(カンカオウトウ)または西洋実桜(セイヨウミザクラ)
※食用として代表的なのは、甘味のあるさくらんぼ
2.酸果桜桃(サンカオウトウ)または西洋酸実桜(セイヨウスミノミザクラ)
※酸味が強いこのタイプは、主に加工用に用いられています。
3.中国桜桃(チュウゴクオウトウ)または支那実桜(シナノミザクラ)
※こちらも、酸味が強いこのタイプです。
日本では国産とアメリカ産のサクランボが果物として流通しています。
甘味はアメリカ産が強く、国産はさわやかな甘酸っぱさが人気の様です。
果樹であるミザクラには東洋系とヨーロッパ系とがあり、日本で栽培される大半は ヨーロッパ系である。
基本的にサクランボは同じ品種の木だけでは実がならない為、果樹園では受粉用に他品種のサクランボ木(受粉樹)を一緒に植えます。
【サクランボの歴史と日本への伝来】
サクランボは有史以前からヨーロッパ各地で自生していて、栽培も紀元前300年頃にはすでに行われていたようです。
また中国では、五経の一つである「礼記」に記述があることから、3000年前には既に栽培されていたことがうかがえます。
日本では平安時代の書物「本草和名」に「桜桃」と記述されていますが、これは中国のサクランボ(シナミザクラ)だと考えられています。
日本で甘果桜桃が栽培される様になったのは明治時代初期の頃で、アメリカやフランスから導入されました。
それらの苗木が適地である北海道や東北に配布され、日本でも独自の品種改良が進められるようになっていったのです。
【佐藤錦】 国内で最も多く生産されている品種で、今や サクランボの代名詞となった一番人気の品種で、 果肉は乳白色で甘味と酸味のバランスが良く・食味も優れています。 *** 写真:木に生るサクランボ *** |
名前は、交配育成した山形県東根市の佐藤栄助氏に因んで1928年(昭和3年)に命名されました。
品種改良は、味は良いが日持ちが悪い「黄玉」と、日持ちは良いが固く酸味の強い「ナポレオン」の掛け合わせる事から始めれました。
【主なその他の品種】
ナポレオン | : | ヨーロッパ各国で栽培されている品種で、粒がやや大きめの
ハート形果肉はクリーム色で果汁が多く、濃厚な味わいです。
収穫は6月下旬。 |
高 砂 | : | アメリカ原産で、日本には1872年(明治5年)に伝わりました。
収穫時期は6月中旬、受粉樹として栽培される。 |
北光(水門) | : | 明治に北海道小樽市で発見された品種で、甘酸が調和した
コクのある味わいがあります。 |
紅秀峰 | : | 佐藤錦と天香錦を交配、1991年(平成3年)に品種登録。
酸味が少なく糖度が高い、甘いサクランボです。 |
アメリカンチェリー | : | アメリカ原産、粒が大きく酸味が少なく甘味が強いのが特徴。 |
生産量は、山形県:13,200トン(74.16%)・北海道:1,540トン(8.65%)、その他山梨県・青森県・秋田県・福島県等で、合計:17,800㌧です。
品種別では、佐藤錦:65.4%・紅秀峰:9.9%・高砂:5.5%・ナポレオン:4.7%
北光:4.3%が主な品種です。
【関連項目】
’07年04月01日 「お花見」と「桜」 | ’08年05月01日 「みかん」の歴史 |
’08年10月01日 「栗」について | ’15年05月01日 「いちご」の歴史 |
’15年06月01日 「みかん」の歴史Ⅱ | ’15年08月01日 「パイナップル」の歴史 |
’15年10月01日 「さつま芋」の歴史 | ’15年12月01日 「りんご」の歴史 |
’16年04月01日 「桃」の歴史 | ’16年05月01日 「枇杷」の歴史 |
’16年06月01日 「メロン」の歴史 | ’16年11月01日 「柿の歴史・その他」 |
’17年06月01日 「レモン」の歴史 | ’17年08月01日 「すいか」の歴史 |
’17年09月01日 「梨」の歴史 |
資料 : ウッキペディア(サクランボ) ・ 果実ナビ(サクランボ)
世界の生産量 ・ さくらんぼのはてな ・ さくらんぼの歴史
<調 査:本社 営業部門 >