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イチゴはバラ科の多年草で、 食べている赤い部分は花托(花床(カショウ)とも言う)で、実は果実ではありません。
イチゴにとって実は一見して種子に見える一粒一粒で、痩果と言います。
花托(カタク) | : | 植物の器官である。 被子植物において茎が厚くなった、そこから花が育つ部分で、 イチゴ・梨などは偽果(ギカ)と呼ばれ、花托は果物の可食部に育ちます。 |
偽果の果実 | : | イチゴ・ナシ・リンゴ・イチジク・バナナ・ビワ・スイカなど |
被子植物 | : | 植物の分類の主要な1グループ名 |
痩果(ソウカ) | : | 多くの被子植物に見られる、単純で乾いた果実の一種です。 |
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【日本のイチゴの歴史】 「いちご」の語源ははっきりしてません。 古くは『本草和名』(918年頃)や『倭名類聚抄』(934年頃)に「以知古」とある様です。 近代にオランダイチゴが伝来するまでは「いちご」は野苺全般を指していました。 ***写真:苺*** |
野生のイチゴは石器時代からヨーロッパ、アジア一帯で食べられていましたが、 現在のようなイチゴが栽培されはじめたのは200年ほど前のことです。
南アメリカから持ち込まれた品種と、北アメリカから持ち込まれた品種が自然交雑したものといわれています。
現在イチゴとして流通しているものは、ほぼ全てオランダイチゴである。
広義にはオランダイチゴ属全体を指し、英語圏でのストロベリーはこの範囲です。
【オランダイチゴとわが国での栽培】
オランダイチゴは、わが国に伝来したのは、江戸時代の終わり徳川末期(1830~1840年)頃にオランダから輸入されました。
作物として栽培されるようになったのは200年前頃からで、本格的に栽培されたのは1872年(明治5年)からです。
明治32年に福羽逸人博士により「福羽」という品種が育成され、多くの日本のいちご品種の基礎となりました。
【日本のいちご収穫量】 果実ナビ (いちご)
年間収穫量は17万~20万㌧で、そのほとんどは11 – 6月に生産される。
7 – 10月の生産量は1万トン以下であって、約5%程度にすぎない。
※年度で収穫量が違い、2012年:163,200㌧・最大が2002年:210,500㌧、
平均で18万㌧程度の様です。 (農林水産省統計)
本来は初夏(5~6月)が露地栽培品の旬ですが、1990年代以降はクリスマスケーキの 材料としての需要が高まる12月から出荷量が最も多くなります。
秋口は露地栽培品とハウス栽培品は端境期である為、生食用のイチゴはほぼ全量を輸入に頼っています。
この時期、ケーキの材料には乾燥物や冷凍物のイチゴが用いられる為、味が極端に落ちる傾向があります。 2013年3,517トン(33億8209万円)輸入しています。
【主ないちごの種類】
とちおとめ1996年(栃木) | : | 酸味が少なく・甘みが強い、東日本のシェアNo.1 |
あまおう 2005年(福岡) | : | 糖度が高く適度な酸味とのバランスが優れている |
紅ほっぺ 2002年(静岡) | : | 糖度が平均12~13度と高く、酸味と調和している |
さちのか 2001年(佐賀) | : | 比較的大きく香り良好、中の実が白いのが特徴 |
とよのか 1984年(福岡) | : | 九州・西日本の代表的な品種でしたが、新しい品種が
出て生産量は減少していますが、新品種の種子としても
使われています |
女峰 1985年(栃木) | : | 東日本で栽培、とよのかと人気を二分 光沢のある小ぶりで、甘酸っぱくジューシーです |
初恋の香り 2009年 | : | 山梨と福島の種苗会社が開発したイチゴ 完熟しても「赤く」ならず「白い」のが特徴 味は甘酸のバランスも良く贈答用としても人気 |
スカイベリー 2011年 | : | 栃木県農業試験場が「とちおとめ」の後継として開発
円錐形で甘酸のバランスも良く、3Lサイズと大きいのが特徴 |
【世界のイチゴの生産量】 FAOSTAT(2012年)
生産量トップはアメリカです。アメリカでは、露地栽培が主流です。
日本では、生で食べるのが主流ですが、欧米では、ジャムにして食べられることが多いようです。
アメリカ:136.7万トン(30%) メキシコ:36万トン(8%) トルコ:35.3万トン(8%)
スペイン:29万トン エジプト:24.2万トン 韓国:19.2万トン 日本:18.5万トン
ロシア:17.4万トン ドイツ:15.6万トン ポーランド:15万トン
【イチゴの輸出量】
2013年に下記4ヶ国に約126トン(2億3962万円相当)輸出しています。
香港:99.6トン 台湾:24.2トン シンガポール:1.9トン タイ:874㌔
1989年4トン421万から始まり、2005年35トン5750万と3倍に増加(2004比)、
その後2008年125トンと増加2009~2012年まで100トン前後輸出しています。
イチゴの他に、りんご:19,431トン(71億6,018)・ぶどう:475トン(6億7,209)
梨:1,246トン(6億1,608)・もも:578トン(5億7,580)・みかん:2,830トン(5億3,577)
柿:444トン(1億9,988万)・メロン122トン(9,923万)等の果物に人気があり、 主な輸出先は台湾・香港・シンガポール・タイ・インドネシア等で、中国・マレーシア マカオ・アメリカ・ニュージーランド等にも輸出しています。(単位:万円)
【関連項目】
’08年05月01日 「みかん」の歴史 | ’08年10月01日 「栗」について |
’15年06月01日 「みかん」の歴史Ⅱ | ’15年07月01日 「さくらんぼ」の歴史 |
’15年08月01日 「パイナップル」の歴史 | ’15年10月01日 「さつま芋」の歴史 |
’15年12月01日 「りんご」の歴史 | ’16年04月01日 「桃」の歴史 |
’16年05月01日 「枇杷」の歴史 | ’16年06月01日 「メロン」の歴史 |
’16年11月01日 「柿の歴史・その他」 | ’17年06月01日 「レモン」の歴史 |
’17年08月01日 「すいか」の歴史 | ’17年09月01日 「梨」の歴史 |
資料 : ウッキペディア (いちご) ・ 果実ナビ
<調 査:本社 営業部門 >