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1)歴史的な背景での分類 「和菓子と洋菓子」
和菓子:明治以前、有史以来の我が国独自のお菓子、奈良・平安時代に
唐から渡来てきたお菓子、安土桃山時代に南蛮等より渡来して
定着、我が国の風土と文化の菓子を総称し和菓子と言います。
洋菓子:明治維新以降に西欧文化とともに導入され、普及した菓子類を
言います。
※これは厳密なものではなく、例えば南蛮菓子のカステラは、ある場合には和菓子の 仲間に入り、ある場合には洋菓子となるケースも有ります。
2)お菓子の水分含量と保存性を基準にした分類
水分含量から生菓子・半生菓子・干菓子に分類されます。
生菓子:一般的には水分30%以上を含むもの
和生菓子と洋生菓子があります
上生・朝生菓子・蒸饅頭・あんみつ・パフケーキ・生ゼリー
生ケーキ全般・シュークリーム・プディング・餡もの・ジャムもの等
半生菓子:水分10~30%の菓子
和半生菓子と洋半生菓子があります
例)焼菓子・どら焼・和風留・最中・羊羹・カステラ・カップケーキ等
干菓子:水分が10%以下のお菓子
和菓子にも洋菓子にもあります
例)落雁・和三盆糖・米菓全般・クッキー・ビスケット・スナック等
※同一の菓子でも水分30%前後として、半生菓子・生菓子のいずれかの表示として いる場合がございますのでご注意ください。
全国菓子工業組合連合会 参照
【上生菓子Ⅰ】 上生菓子は、日本の四季の美しさ・花鳥風月・雪月花を 和菓子職人の技術で表現しています。 京都において、茶の湯と共に発展を遂げて独自の伝統と 意匠が営々と受け継がれてきました。 故に茶席は、茶人と菓子職人との、まさに一期一会の 真剣勝負の場でもあった様です。 全国和菓子協会 参照 ― 写真左 : 上生菓子 ― |
【上生菓子Ⅱ】
1)和菓子の業界用語のひとつに「手形もの」という言葉があります。
手技のみで象(カタド)ってつくられる和菓子という意味で、小さな竹べら
等を使い自然の風物などを映し取る菓子製造技術の華と言われます。
2)職人は、自然の風物などを自分の感性で感じとり、和菓子に表現します。
和菓子店をのぞくと、季節を表現した和菓子が短期間で移り変わり、
その多彩さ・感受性の豊かさに驚かれるはずです。
和菓子は何時の世にあっても季節を大切にしています。
【上生菓子の主原料について】
和菓子ですから、砂糖を始めとして小豆・白いんげん豆類(手亡を含む)・水飴・ 米類・小麦・寒天他、そして菓子の彩りに使用する各種の食用色素が有ります。
その他の材料を使い上生菓子を作ります
①こなし:白こし餡に薄力粉を混ぜて蒸し砂糖を加える
②求肥(ギュウヒ):餅粉を水で練って、砂糖を加えたもの
③葛(クズ):本葛粉に水を加えて濃し、砂糖を加えて加熱する
④薯蕷(ジョウヨ):山芋のことで、すり下ろし手砂糖などを加える
※上用粉(ジョウヨウコ)と表記されていることもあります、薯蕷饅頭の原料です
⑤きんとん:蒸した山芋を裏漉し砂糖を加えて炊いたもの
白餡を寒天で固めたもの
白餡を求肥でつなぎ(煉り切り)、着色し裏漉し器でそぼろ状にする
【食用色素】
食用としての着色料は食品添加物として国より認可され、料理に彩りを与える効果があります。
着色料には天然の色素と合成着色料が あります。
1)主な天然着色料(草・木・虫等を原料としている)
カラメル・クチナシ(黄色・赤色・青色)・パプリカ・紅麹色素等
2)主な合成着色料(石油・タールを原料としている)
青色(1号・2号)・赤色(2号・102号・104号他)・黄色(4号・5号)等
資 料 : 全国菓子工業組合連合会(全菓連)・京都の和菓子
全国和菓子協会・ ウィキペディア「和菓子」・「着色料」
<調 査:本社 営業部門 >